
こんにちは、社長の後藤です。年に1回、決算後に社員に向けて行っている「会社方針説明会」を、今年も7月末に開催しました。「vision2030」を掲げて、覚悟をもって踏み出した昨年の説明会から1年。話す私を見る社員の顔が、ずっと頼もしくなってきたように感じました。今回のブログでは、説明会を振り返りながら、社員の変化についても私が思うところを書いてみます。
2024年度を振り返って
2024年度は新しいメンバーも着実に増え、いろいろな所で変化を感じる1年となりました。決算を振り返ってみても、これまで取り組んできた「ビジネスの柱をバランスよくする」「自分達の内製力を表す“付加価値高”を高める」という2つの目標に対して、きちんと数字がついてきました。特に力を入れてきた「レーザ」「ロボット自動化」といった分野で、成果が数字として表れてきたのが分かりました。
また単なる数字の達成だけでなく、それらの分野におけるお客様からの反応にも、良い変化と手応えを感じるようになってきました。これは、プロジェクトの現場における社員の努力の成果そのものであり、心底、感謝しています。
社員からのロジカルな主張や提案が増えてきた
こうした成果が出てきた背景には、社員一人一人のマインドの変化があると思います。これまでは上意下達の世の中。「言われたことを、言われたように、素早く丁寧にやる」ということが、組織の一員に対する時代の要請でした。しかし時代は変わり、今ではそもそも「上意」が正しいかどうかを疑う目をもつことも重要です。もちろん会社として、大きなビジョンや方向性を示し、仕組みを整えることは必要。ただ、仕事におけるひとつひとつの判断は、現場のメンバーが考え抜いて下すほうが、よほど正しいのではと、私は感じています。
そんな中、社内では、多くの中堅若手メンバーに、商談も、会社運営も、安全管理も、全ては「自分達が背負わなければ」という責任感を感じるようになってきました。これは凄い変化だと思います。最近では、社長の意見に「そうは思わない」と”論理的に反論”する中堅若手社員も増えてきました。これは毎年の方針発表時にも求め続けてきた姿勢。変に遠慮せず、自分の意見が出せるようになったことをとても頼もしく感じますし、そういう社風ができてきたことに手応えを感じています。
採用面接でも中堅若手が動く
こうした意識の変化は、単に「声を上げる」ことだけでなく、具体的な行動にも現れてきています。技研システックでは、ここ数年、多くの中途採用面接を行っています。社長面接の前に、現場を見学してもらったり、カジュアル面談(募集職種に近い内容の業務を担う年代の近い社員が、ラフな雰囲気で応募者と話し、感触を私たちと共有する面談)を行ったりしていますが、中堅若手社員が進んで協力してくれています。
カジュアル面談は「採用すべき人材かどうかを見る」という機能以外にも、双方に良い効果をもたらしてくれています。面談に訪れ、その後採用となる応募者にとっては、カジュアル面談で同じ世代からの本音が聞け、その場で仲間意識のようなものが生まれることも。すると入社後すぐに、社内メンバーに溶け込み、ロケットスタートができるわけです。
また、カジュアル面談に参加する中堅社員たちにとっても、自分の本音を相手に伝える中で、技研システックの「良いところ」「改善しないといけないところ」について、客観的に頭を整理する機会になります。それが更に、自分達の次の行動に繋がり、「自分たちはこの会社をどうしていきたいのか」という未来志向(思考)が湧いてきます。自分たちが考えて動いて判断したことだからこそ、それに対する「責任感」が自然と湧く、これがよい方向に働いていると感じています。
2030年に向けて
さて、2030年に向けて。自動車業界は「100年に一度の大変革期」と言われてから、既に7年近くが経ちました。「大変革」と言われるものは、実は一気に激変するものでなく、静かに着実に、そして巨大な波が押し寄せてくることです。周りをしっかり見ていないと、それに気づいた時には手遅れになる。例えば、DXを単なるデジタル化やIT化と勘違いしてはいけないのと同じで、「トランスフォーメーション(変革)」の意味と重みを、我々は正しく理解しないといけません。
日本はこの先も人口減が続きます。国内は自動車需要が減少し続け、クルマ産業に関わってくれる仲間を集めることも、難しくなっていくでしょう。「誰かが何とかしてくれる」という思考は捨て、次の世代のメンバーが一丸となり、自分たちは何をすべきかと考え、行動することが大切です。そのひとつは、海外を見据えること。自分達のビジネスを、もっとグローバル規模で俯瞰し、そして地に足をつけて行動すること。そういったマインドと力を着実に身につけていくことを、2030年に向けた方針と施策に落とし込み、全員一丸で取り組んでいきます。
会社をもっとオープンマインドに
技研システックという会社も、ここ数年で雰囲気が大きく変わってきました。ベテランの教えやこれまでの会社の歴史も踏まえながら、中堅若手社員たちが「自分ごと」として会社の成長を前向きに考える。そうした文化を育てられつつあるという実感があり、今は私もワクワクすることが増えました。
世の中を見渡すと、エネルギーに溢れる会社のベースには「オープンマインド」があります。多くの人たちの共感や支えを上手く自分たちのエネルギーに変え、会社としてパワフルに成長しています。技研システックも、そのような志向で成長していきたい。最近では「マインドも実力もグングン育ってきている彼らを、もっと伸ばしたい、活かしたい、周りとつなげて広げていきたい」という気持ちで、私自身も社外との共創や仲間づくりに奔走しています(この辺もまた書く機会があれば)。
Vision2030を打ち出した昨年の会社方針説明会から1年。結果としての数字も表れて、正しい方向で良いスタートが切れたと感じています。会社はやはり人の集合体なので、ひとりひとりが情熱をもてば、それがまた良い化学変化を起こし、会社としてのパワーが倍増し、成長スピードも上がっていくことを実感しています。私自身も柔軟な考えとスピード感をもって、さらに前へと進んでいきたいと思います。